ユ・スンホ「会いたい」放送終了9日目ーカン・ヒョンジュン愛の悲劇   

2013年 01月 26日
「会いたい(ポゴシプタ)」最終回が終わって9日が過ぎた。が、相変わらず、胸のモヤモヤは回復しない。なかなか仕事も手につかない。これは、「ポゴシプタ」結末のせいなのか、はたまた、ユ・スンホという俳優のせいなのか。

○そもそも、この『ポゴシプタ」というドラマのテーマは、なんだったのか?
失われた15歳の初恋を14年後男女が取り戻す? 
これに加えて、予想を越えて出現した、主人公ハン・ジョンウとイ・スヨンが巻き込まれた誘拐・暴行事件。この事件で受けた大きな傷は、14年後の再会で癒されるか? 
ユ・スンホ演じるカン・ヒョンジュンも、この時期に彼ら2人と同様、心身に大きな傷を負わされる。母を奪われ、足には一生消えない傷を負わされる。悲劇的な経験をしている。

家族として機能していなかった家庭を経験した3人が、14年後にどうなっていくのか。「初恋から14年間失われなかった男女の愛」と共に、この「家族の形が取り戻せるか」ということも大きなテーマだったのかもしれない。この男女の愛の方には、大きな傷を受けた女性イ・スヨンの傍らにずっといて、彼女を愛し続けるヒョンジュンがいて三角関係になるという設定。
男女主人公は、お互いの初恋を辿り、ヒョンジュンは2人が近づいて行くことに不安を感じながら、自分が受けた心身の傷に対する復讐を計画する。そんな話で前半は進んだ。ところが…??


個人的胸のもやもやの解消のため、このドラマで一番涙を誘ったヒョンジュン中心に、またまた今更の感ではありますが、考えてみようかと思います。これは、ドラマを振り返ってユ・スンホ演技を思い出したいという愛なのかもしれません…、ね。
カン・ヒョンジュン=ハリー・ポリスンであり、イ・スヨン=ジョイ・ルーですが、2人は最終話までこの2つの名前を同時に使っていたため、統一せずに表記します。


○カン・ヒョンジュンの巻き込まれた事件と彼の悲劇

カ ン・ヒョンジュンは、12歳のときに、父が全て自分に譲ろうとした金を自分のものにしようとする異母兄ハン・テジュンにより監禁された部屋で、猛犬に足を 噛まれてたいへんな怪我を負う。しかも母はハン・テジュンに拉致され、1人きりになってしまうという酷い経験をする。母ヒョンジュに従っていた看護師のキム・ヘミも癖のある人物でヒョンジュンの味方であるとは言えず、頼れる大人はいない。

子役のアン・ドギュ君が演じたカン・ヒョンジュンは可哀相な目にあっていたが、猛犬と閉じ込められた部屋からガラスを割って自分で逃げ出したり、キム・ヘミが車で引き殺そうとしたスヨンを「助けて」と言ったり、金を持って1人で逃げようとするキム・ヘミに「自分がいなければスイスの隠し口座からお金を引き出すことはできない」と言ったり。果てはスヨンを追いかけるキム刑事の車に細工して事故死させるなど、12歳の子どもとは考えられない程、大人と渡り合える子どもだった。可愛いというよりは、賢く、しぶとい子ども。
頼るべき大人を失ったヒョンジュンは孤独から救われるために、共に生きる相手として閉じ込められた自分に窓から声をかけてくれたスヨンを選ぶ。

ヒョンジュンは、第19話で、ほとんど正気を失い、自分の子どもの頃の幻を見る。階段の下にちんまり座った子どものヒョンジュン。彼は、子どものヒョンジュンに向かって、「よくやった」と言っていたわりの涙が浮かぶ目で見つめ、頭を撫でる。そして、最終話、スヨンを拉致した倉庫のシーンで、ハン・ジョンウに自分の生き様を「生きるためには、嘘をつかなければいけなかった、わかるか!?」と言う。この2つのシーンに、彼がどれだけ切羽詰まった状態で生きて来なければいけなかったかが分かる。スンホ演技が切ない。

倉庫の場面を先程再び視聴、辛くて、力が抜けてしまった。いったい何でこんなにヒョンジュンを痛めつけなければいけないのかと、憤りを覚えるくらい。スンホは哀しいヒョンジュンの生き様をはっきりと見せてくれる。痛々しい。父も母も、自分を守ってくれる存在のいなくなったヒョンジュン。足には一生治ることのない傷を受け、彼の父はハン・テジュンに殺されたのだから、「ハン・テジュンに殺されるかもしれない」という恐怖も常にあったはず。

(ただ、ハン・テジュンは自分の父親は殺したが、意外なことにヒョンジュンの母であるカン・ヒョンジュは生かしておくなど、行動に一貫性に欠けている部分もあり?? 「母が生きていた」。これも「ポゴシプタ」得意の反転。が、この反転で、「死んだ母の仇」の状況が変わってしまうなど、苦しくなった部分もある。同時に、ヒョンジュンの父の死については、ほとんど触れられず、実はこちらの方が本当の殺人だったことを皆が忘れている? 私も忘れていた…)。

このような状況を背負って生きて来たヒョンジュン(ハリー)が、初めてハン・ジョンウの前に姿を見せるシーン、車から降りてハン・ジョンウに目を向けるヒョンジュン。この14年の彼の生き様が見えるようだった。ヒョンジュンが車から降りてジョンウに近づくとき、彼は氷の鎧を着ているようだった。その姿は言いようもなく美しかった。

ユ・スンホの演技は、いつも彼の中ではしっかり作り上げられていて、彼の登場シーンのみ繋げてみると、ドラマがきちんと出来上がっている。

12歳という年齢で、お金に執着するドロドロの大人たちのために癒えることのない傷を受け、自分の国を離れて生活せざるを得なかったカン・ヒョンジュンは、大人たちの犠牲者であり、被害者である。
果たして、その彼にこのドラマは癒しを用意できたのか?



○ハリーとジョイの素敵な関係

アン・ドギュ君から、第5話でユ・スンホにバトンタッチされるが、カン・ヒョンジュンは若いが大金持ちのやり手実業家ハリー・ポリスンとなり、新進気鋭のデザイナージョイ・ルーとして生きるイ・スヨンの恋人らしき存在になっている。叔母ミッシェル・キムが自宅プールで水死したため、ハリーは韓国に戻る。彼を追って韓国に来たジョイを見つめるハリーの目の優しさ! 俳優ユ・スンホは、「好きな人のためには尽くしたくなる」という実生活での片思いの経験を、このドラマの演技に生かすと言っていた。片思いの経験?? そんなもので、恋愛関係を演じられものかぁ??? と、少々疑った。が、こちらのそんなを思いをものの見事にはね除け、ハリーとジョイの関係は作り上げられた。才能あるものは、1の経験を100に膨らませられるんだなという例。過去の事件による心の中の不安を抱えているジョイを、温かく包むハリーの優しさと美しさは、この世のものとは思えないほど。この2人の関係はあまりに魅力的になり過ぎた…。おそらく、製作者側も、こうなるとは思わなかったのではないか? この2人の関係に多くの人が惹かれた。

14年前の事件から逃れてフランスに渡ったという設定のヒョンジュンとスヨン。同じように心身に傷を受け、お互いを唯一頼れる存在として生きてきた。スヨンがジョンウに語った言葉、「ハリーは早く大人になりたがっていた」と。自分を守ってくれる大人が不在なので、自分が大人にならなければならないということなんだろう。
子どもでありながら、子どもとして育つことができなかったヒョンジュン。これは、もう、「ポゴシプタ」以外のドラマを作っていただいた方が良いくらいドラマティックな人生。もったいなかったな。彼の人生をもっと濃密に表せなくて。

ハリー(ヒョンジュン)は初めはジョイにひたすら優しい存在で、サイコパスは初めの内は自宅の隠し部屋の中のみにおいて見られた。ユ・スンホ自身は、「1人でこの部屋のみでサイコパス的性格を演じているのはやりにくい」と言っていたが、ジョイとの優しい関係の方が印象的で、主人公の恋愛関係が主になるはずだが、こちらのカップルもとびきり素敵に思えた。恋人のような、姉弟のような、家族のような愛情関係。これは、これだけでも立派にドラマになれそうなほど、完成度の高い組み合わせだった。


○ハリーの嫉妬とサイコパスの表出、そして、復讐?

しかし、ハン・ジョンウが近づいて来てスヨン(ジョイ)の母が現れるにつれて、この素敵な関係は徐々に壊れて行く。ジョイの心が離れていくことに、不安を抱いてジョイに抱きついて嗚咽するハリー。ハリーと同じく、ユ・スンホのハリーを見たくなっている者には、ジョンウが余計なことをする奴に思える。そして、自分を置いて逃げたことで憎んでいたはずのジョンウに、簡単に心を許してしまうスヨン(ジョイ)に、苛立ちを覚える。

スヨンの中には、ずっとジョンウの存在があったらしい。愛すればこそ、自分を置いて逃げたことにショックを受け、自分を忘れていると思うから憎む。けれど、この辺りのスヨンとジョンウの関係はあまり緻密には描かれなかった。スヨンが14年間ジョンウに抱いていた想いは、ハリーの家を飛び出したときに、追いかけたジョンウに初めて叩きつけられるが、少々説得力にかける。

ここにいたるまで、徐々に、ハリー(カン・ヒョンジュン)の復讐は形を露にし始める。ハリーは、ジョンウに対して心を開いてしまいそうなジョイに怒りを見せる。「これまで、けんかをしたことなんてなかったのに」と言うジョイ。ユ・スンホの嫉妬の演技は怒りを増して行くにつれ、体当たりになり、身体全体で表現することを獲得して行った。19歳の若いエネルギーの表出は、やはりただならぬものがある。長い俳優としての経験による緻密な組み立てに加え、19歳という若さのもたらす、ある意味まっすぐな表現。かつ、この若さゆえ、少年のようでもあり、大人の男の魅力もある、神秘的なキャラクターを作り上げたと思う。


○「会いたい」の見所、ヒョンジュンの母との再会

このドラマでは多々泣かされたが、その見所の1つが、ヒョンジュンと母との再会と別れ。ハン・テジュンの家で14年間死んだと思っていた母が生きていると知り、会おうとするときのヒョンジュンは、悪役でもなんでもなく、1人の母を求める青年だった。再会する場面。しかし、それは生きていながら受け入れてもらえないという、死んでいるより辛い思いをすることになる。

スンホ演技に泣けた。彼が不安を抱えながら母の部屋に近づき、ドアノブに手をかける。開けて部屋の中に入ったときのヒョンジュンの姿。杖を落として近づく。「ジュナだよ」と母に手を差し出すが、受け入れられない。そして、いつもは冷静な彼が声をあげて泣く。スヨンが入って来て、ヒョンジュがハン・テジュンを頼って「ハン・テジュン! ハン・テジュン!」と呼んでいる声を聞こえないようにしようと、ヒョンジュンの耳を覆い、彼を抱き抱える。←もう、暗記!!

この場面で、ヒョンジュンは自分の正体がばれてしまう危険があるにも関わらず、なりふり構わず激しく嗚咽した。母に会えるという期待が裏切られたときのヒョンジュンはあまりにも可哀相だった。母と再会した場面のヒョンジュンは、彼らしくない、自分に正直で素直で、子どもらしささえ残っている。だから、私にとって、好きな場面であり、心をえぐられる場面でもあります。でも、その初めて真実の心を表したヒョンジュンは、母が自分を分からないという手痛い打撃を被る訳で。この後、ヒョンジュンはスヨンに向かって「自分のことも分からないのに、生きていてもしかたない」と怒る。「あんな母なんかいらない」と言う。彼が唯一真実の想いを吐露したとき、それは受け入れられず散ってしまったということだ。

彼の母に対する愛情、母を求める気持ち、母に受け入れられなかった衝撃は、ジョイの前で隠しておくべき言葉を喋ってしまい、ジョイの不信を招く。結局、悪役ヒョンジュン、母に対する真実の愛とそれを失うショックが、復讐計画にほころびを作って行くという…。

○ヒョンジュンの母に対する想い、スヨンに対する想い、ヒョンジュンの精神を傷つける悲劇

これに先立つ場面で、ハリーとジョンウが自分のことで争うのに傷つき、ハリーの家を出て行ってしまったジョイ(スヨン)。ヒョンジュンは、秘密の友達であり唯一の味方であるユン室長に「ジョイ(スヨン)を殺してでも連れて来い」と言う。また、スヨンには「君に死んで欲しい。君のいない世界に住みたい」と暴言を吐き荒れる。
スヨンを殺人者に仕立て、そうかと思えば、手を差し出して自分のところに来いと言い、自分の腹心であるユン室長(本物のハリー・ポリスン)にハン・テジュンを襲わせた後は、本来一番の復讐の対象であったはずの異母兄ハン・テジュンの助けまで借りて、スヨンを自分の元に連れ戻そうとする。「スヨンも母もいらない」と口に出しながら、弁護士のクレイグには「母とジョイを連れて海外に行く手続きをしてくれ」と頼む。この辺り、ヒョンジュンの言葉は何が真実なのか分からない。

母のくれたペンダント(鍵のペンダントを入れるケースになっていて、「ジュナへ、世界で一番あなたを愛している母より」と書かれた鍵のペンダントを入れてあったペンダント・ヘッド」を、屋台で母に「もういらない」と言って、返してしまう。母が「ジュナ」と呼んで、追いかけようとするのに、去ってしまう。母が凍死寸前になり、「あなたのお母さんが死にそうだ」とスヨンに言われても会いに行かない。
この辺りは、もう精神が病んでいたっていうことなんだろうか? 

ドラマ後半は、ヒョンジュンの復讐が形を表してくるが、この場面で、スヨンは既に暴行事件の痛みを感じている場面はなく、スヨンよりジョンウより哀しい存在であるのがヒョンジュン。
ヒョンジュンの目的がどこにあるのか迷走してしまった感はあるが、それにも関わらず、スンホはものの見事に演じてしまった。心から湧き出ているように、その表情で、眼差しで、その声で、ヒョンジュンを表現し、こちらは、ただただ彼の通じない想いに胸が痛くなってしまった。たとえ、彼の行動が常軌を逸していたり、不可解だったとしても、彼の涙や苦痛に歪む顔、切ない眼差し、そして、彼のつぶやく声、それを見、また聞けば、ヒョンジュンと同じように涙が溢れてしまう。そして、彼の心に寄り添いたくなる。

ヒョンジュンのサイコパスのシーン。CCTVを見つめ、スヨンを監視し、秘密の友達と復讐について語るヒョンジュンの冷たく、嘲るような眼差し。スヨンにすがって見せる嗚咽。スヨンが出て行って、1人きりの家で、杖を激しく鳴らしてもスヨンが来ないことに動揺し、苛立って、エレベーターのボタンを押し続ける姿。ソファに座ったまま、スヨンをずっと待ち続け、エレベーターを見つめる憔悴した姿。母との再会とスヨンが自分を置いて行ってしまったことのショックで荒れ狂い、スヨンと自分の写真、母の写真、全てを叩き落として、「スヨンが行ってしまった」と泣く姿。回を重ねるごとに、スンホの演じるヒョンジュンは、冷静さのかけらもなくなり、自分の感情を刃のように振り回し、真実なのか怒りに任せて心ならずも口から出てしまった言葉なのかわからない言葉を吐く。

彼は、母が記憶を取り戻しつつあり「ジュナに会いたい」と呟いたにも関わらず、母に抱きしめられることなく、母と二度目の、そして、最後の別れをすることになる。これは、とんでもない悲劇で、ここまで傷ついてしまっているヒョンジュンと、それを演じるユ・スンホの感情を揺さぶる演技に対して、主役の2人の恋愛はどうでもいい感にならざるを得ない。意味なく長いキス・シーンも見たいとは思わない(←ファンの方達は見たかった? だとしたら、暴言ごめんなさい)。
MBCのサイトに出ていた母ヒョンジュの死の場面に「もう一つの愛が煙のように消えました」というコメントがついていました。ヒョンジュンは、2つの愛を、同時になくして、たった1人になってしまった訳です。何故、自分を思い出しかけている母を素直に受け入れることなく、母を亡くさなくてはいけなかったのか。何でここまでヒョンジュンの心を傷つける必要があったのか。。

「主人公はユ・スンホ」「ユ・スンホのためのユ・スンホによるドラマ」という記事も出ていたが、このキャラクターと演技の深みは、完全にヒョンジュンを主人公にした。


○ヒョンジュンの6人殺害の意図、自己保身か愛情か

実は、フランスにいたときから、ハリーが「6人消したい奴がいる」とジョイに話していたことが、第20話になって出てくる。「君に言って欲しくないことを言おうとするから」、ハリーが韓国でこの6人を殺害しようとした動機はこれ?? ハリーの復讐とは、「自分の足を傷つけ、杖なしでは歩けないようにした人、自分の母を殺した人、ハン・テジュンに対する復讐」かと思っていたが、スヨンにとって消えない傷となる拉致事件がヒョンジュンの母によってもたらされたものであることを、スヨンに知られないために、スヨンを自分の元から離さないためのものだったのか。ミッシェル・キムについて、「スヨンに言って欲しくないことを言いたがるから、休んでもらった(殺した)」とファン・ミランに言っている。

第21話の冒頭でも、復讐しようとする6人の名前を挙げるヒョンジュンの声と6人の映像が流れる。ここで、ヒョンジュンは、ナム室長とファン・ミランに同じように「スヨンは拉致事件はヒョンジュンの母が起こしたものだと知っているのか?」と言われ、「それを言うな!」と冷たい眼差しで言う。このスンホがそれぞれに向けた氷のような目が、なんとも言えず魅力的だった。この冷たさは、いまだかつてユ・スンホの演技の中で見たことのないもの。

さて、最大の敵はハン・テジュンだったはずなのに、いつのまにかヒョンジュンの心の中はスヨンのことでいっぱいになってしまって、ハン・テジュンにまでさらっと近づいて行って、「スヨンを自分の所に連れて来い」と金銭の取引をする。で、話の筋がよく分からなくなってしまっような?? 終盤に向かい、スンホ演技はますます深みと迫力を増すが、ヒョンジュンの行動が揺れ動くのには、少々分かりにく部分が。

ハリーとジョイがユ・スンホとユン・ウネにバトン・タッチした頃には、性暴行の被害者であるジョイ(スヨン)が、暴行犯ガン・サンドックに出会って怯え、取り乱し、シャワー室に閉じ込もって泣き叫び、それをハリーが窓から入り込み抱きしめるシーン、ガン・サンドックからの電話におののいてジョイが落としていったグラスを、ハリーが1人、苦しそうに片付けるシーン等では、ハリーがジョイの苦しみを救いたいという気持ちがあっただろうと思わせる。しかし、そのハリーの思いは、スヨンの気持ちとは違っていた。「カン・サンドックを殺したのに、ジョイが行ってしまった」というハリーの言葉が示すとおり、これが、2人の過去に対する気持ちの決定的なずれだった。

スヨンは、最終話21話の倉庫の場面で「あなたの言ったこと全てが嘘だったとは思わない」と言う。これは、以前にスヨンがヒョンジュン(ハリー)に「あなたの言うことは全部嘘!」と言ったことにが、今の自分の本心ではないという意味なのか。極悪で嘘に塗り固められたと思われるような事件を起こしているヒョンジュンの心の中にある真実を、ただ1回だけスヨンが理解していると表現している場面だと思った。ヒョンジュンの行動に自己保身とスヨンに対する愛と、その両方があったということも示している言葉なのかもしれない。


○ユ・スンホの素晴らしいカン・ヒョンジュン演技と、その多面性の表出による衝撃

カン・ヒョンジュンという人物は、ユ・スンホのビジュアルの美しさとスヨンに対しての優しく甘い雰囲気により、絶大な好感をもたれ、ありきたりの悪役ではない、特異な登場人物となってしまった。ドラマ前半のハリー(ヒョンジュン)とジョイ(スヨン)の関係があまりに幸せそうで素敵に見えたので、見る者は、この世のものとは思えない程美しく見えたこの関係が崩れ、ヒョンジュンの悪事が明らかにされていくことに大きな衝撃を抱いてしまった。

この衝撃は、ドラマの流れを迷走させてしまったかもしれない。
ドラマが進めば進むほどに、何故ヒョンジュンはそうなってしまうのか、何故スヨンはヒョンジュンを思いやってくれないのかと、憤りさえ覚えてしまう。「会いたい」は没入度1位のドラマとか言われていて、どうやって量るんだという疑問もありましたが、このどんどん哀しい状況に追い込まれ、どんどん落ちて行くヒョンジュンを演じるユ・スンホ演技、完璧に没入させられました。


「ポゴシプタ」結末まで行きたかったんですが、ここまででまたまた長くなり過ぎて、今日も行き着けませんでした。。。次回、21話の倉庫のシーンと精神病院でのシーン、そして、結末について思うことまで行きたいと思います。




→ ユ・スンホ「会いたい」終了—犠牲者ヒョンジュン 哀しい結末 につづきます




※ 「会いたい」の各話、「あらすじ&私の思うこと」を2013年夏より新たに作成、ブログ・アップしております。
  左のカテゴリーの「会いたい#5〜…」からお進みください。







by Cloudia-Yo | 2013-01-26 13:31 | 会いたい(ポゴシッタ) | Comments(9)

Commented by hana at 2013-01-27 22:22 x
こんばんは♪
ホントに5、6話のハリーとジョイはお互いを必要としている雰囲気が醸し出してて素敵な雰囲気でしたよね。
私はデコごつんのシーンでスンホ堕ちしました♪

ウネちゃんが出てるからと見始めたんですが、すっかりウネちゃんは消え失せて(笑) まぁ、ファンというほどのファンではなかったせいでもありますが…

倉庫でヒョンジュンに向かって「あなたの望む愛ではないが、家族として愛してた」みたいなことを言ってましたが、このセリフ、せめてハリーが母と再会して傷ついている時に言ってあげてほしかった。
あの場でハリーを嘘つき呼ばわりせず、何があっても私はあなたの家族だ。形は違っても家族として愛してる。って言ってればあそこまで壊れなかったんじゃないの?って思ってます。
スヨンて空気読めよ!ってシーンが多くてイライラしましたね。
ラブシーン、私は飛ばして見てたのでひどい時には30分位で視聴終了した時も(笑)

後半を思い出しているとイライラ・モヤモヤっとしませんか?
この脚本家はヒョンジュンというキャラに愛情の欠片もなかったのだろうかと疑いたくなる扱いですが、ユチョンのための脚本だったからしょうがないのかな〜。

Commented by Cloudia-Yo at 2013-01-27 23:26
>hanaさま、仰せのとおりでございます!!ほんとに、スヨンていう女は、ハリーが母に再会して一番辛いときに耳を塞いであげたかと思ったら、その後傷ついて正気を失っているハリーをなじり、自分だけ気絶して、すぐにハン・ジョンウのところに走るし、あれだけハリーに世話になってデザイナーになれたのに、ありがとうの一言もない、トンデモナイ女だと思います☆(←またまた暴言!!)私もラブシーンは飛ばしてます(笑)。腹立つんだもの!!

今も「なんであんなにヒョンジュンをいじめ抜かなければいけなかったのか。しかも精神的フォローもなく…」と怒りながら帰宅したところです。悪の根源は、ヒョンジュンでなく、彼の周りにいた大人でしょっ!! ヒョンジュンは犠牲者だよと私は言いたい。脚本家、おかしいと思う。正義を忘れている!!うん、絶対。。

初めの頃の「ハリー&ジョイ」がなければ、私もこんなに傷つかなかったんだけどね〜。スンホ君、優しい演技も超似合いましたね。「好きな人のために何かしてあげたいと思うタイプ」らしいので。後半は、なんで?エエエ〜ッ?の連続でしたね。ほんと!!怒り再燃!!
Commented at 2013-01-28 03:56 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by A at 2013-01-28 04:17 x
他の俳優の名前が記載されて非公開でコメントつけました。しかし、少ないコメントを見ることができないという欠点がありますね。 ^^スンホに対して関心が高くなって国外の方々は、今回のドラマについてどのように見たのか気にしていた車に聞こえるようになりました。すっきりと整理された文と翻訳機で見ても十分に内容が伝達がうまくなったようです。これcloudiayoさんの心情が私の心情と同じで驚きました。ヒョンジュンを好きなファンたちの心は、おそらくだようだと思います。共感されるレビューも読みました〜急に乱入してコメント甘くて申し訳ありません。これからも良い文たくさんお願い致します。(感情を伝達したいが、翻訳機の問題。内容が不誠実します。理解してください T.T)
Commented by Cloudia-Yo at 2013-01-28 08:43
>Aさま、コメントありがとうございます。翻訳機を使って私の文章を呼んでくださる方がいるとは思わなかったので驚き、とても嬉しく思います。
書かれた内容、とてもよく理解できました。日本のドラマ製作では考えられないことで、驚愕しました。韓国の俳優がいかにたいへんであるか知ることができました。「何故こうなるのか?」という疑問がAさまのコメントで理解できました。日本のファンと韓国のファンが同じことを感じているということも。

ヒョンジュン&ハリー、本当に魅力的なキャラクターでした。ユ・スンホ君、素晴らしい俳優になりましたね。彼が除隊後に、様々な事情を越えて、実力に見合う機会を正当に提供されることを、切に願います。
コメント、感謝です!!
Commented by A at 2013-01-28 10:48 x
韓国のドラマが竜頭蛇尾が多い理由は二つがあります。最初の理由は、視聴者のneedsのために作家たちが計画していた結末をたくさん変えるためです。そしてアメリカのドラマのように事前製作方式ではないので序盤は良いqualityで始まりますが、後半からまるで生放送のように急い撮影して編集をするため、ますますドラマ​​のqualityが低下します。それによって完成された台本ではなく、いわゆる"メッセージ台本"を演じ当日受ける環境は、韓国ドラマの慢性的問題でもあります。 "メッセージ台本"は、俳優たちの演技沒入を邪魔する要素です。作家の権限であるストーリーを視聴者のニーズによって変更する国は、おそらく韓国が唯一することがあります。"メッセージ台本"を受けても良い演技を見せてくれたスンホに感心しています。それでは良い一日を。
Commented by Cloudia-Yo at 2013-01-28 11:34
>Aさま、先程コメントをいただいてから考えていました。韓国の製作事情がそのような状態であっても、それを越えて良い演技をできたのは、ユ・スンホという俳優の若さによる反応の早さだったのだろうと思います。刻々と行き先の変わってしまうストーリーに対して、次々に自分の演技を変えて違う面を見せて行く。後半のハリーの設定の変化はめまぐるしいものがありましたが、スンホ君は見事な集中力で対応し、迷走したストーリーに関わらず、1つ1つを魅力ある場面に作り上げましたね。
韓国のドラマは、計画的に作られ組み立てられている日本のドラマと違って、極度に追いつめられた俳優さんたちの必死な取り組みがあるから、日本人にとって韓国の俳優さんや女優さんは魅力的に見え、熱烈なファンも増えているのかもしれません。
情報、感謝いたします。そちらも良い1日をお過ごしください!
Commented by nami☆ at 2013-01-31 16:07 x
Yoさん、本当にスンホには素敵なファンの方がいますね。
海を越えて本国からのコメント入ってる素晴らしい~♪
とても詳しいドラマ制作現場の現状と問題点報告。
なぜか私まで嬉しくて興奮!
スンホファンに国境はないですね。
なんだかとっても幸せ!(*^o^*)
Commented by Cloudia-Yo at 2013-01-31 17:00
>nami☆さま、私も驚きました。。でも、スンホ・ペン、心は一つですね。ほんとにいい子で才能あるスンホ君、除隊まで2年弱、盛り上げましょう!ドーヤッテ?
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